AIの強化学習とは?かんたんにわかりやすく

強化学習では、コンピューターはある「環境」の中で、目的として設定された「報酬(スコア)」を最大化するための行動を学習します。

自動運転や自律制御ロボットなどの基盤技術として、近年注目を集めている強化学習。Google子会社のDeepMind社が開発し、数々の囲碁の名人に勝利を収め、衝撃をもたらした人工知能「AlphaGO」のアルゴリズムとしても強化学習は使われています。

「強化学習は知性の本質を掴んでいる」とAlphaGOの開発者デイヴィッド・シルヴァーは言っています。強化学習に最も力を注いでいるDeepMindには注目です。

強化学習の流れ

①「エージェント」がある「環境」の中に置かれ、その環境に対して「行動」を起こす。

②環境がエージェントに、行動により更新された「状態」と「報酬」をフィードバックする。

③環境からのフィードバックを元に、「方策」を修正する。

④これまでの一連の行動の結果として変化した環境の中で、再びエージェントが環境に対して行動を起こす。

つまり、報酬を最大化するように行動を改善していき、最後には最善の行動を取るようになるということです。

強化学習の今後

社会に大きなインパクトをもたらす可能性を秘め、研究の進展により技術も成熟しつつある強化学習。しかしその活用は現状ゲーム領域が中心であり、産業全体への実装は進んでいるとは言えないのが現状です。

その背景のひとつとして、そもそも活用事例が少ない上に、強化学習を扱う書籍は数式などの理論を中心に扱うものが多い点が上げられます。現場での実装を支援するような解説書の充実が待たれます。

IoT技術により、あらゆるモノから莫大なリアルタイムデータを取得できる未来が現実味を帯びつつあります。そういったデータを元に、アルゴリズムを常に更新し続けられる強化学習は、今後あらゆる産業において生産性を上げるために、ますます重要な役割を帯びることになるでしょう。

Ryuda
強化学習